夜尿症について

夜尿症は大きくなると治りますが、寝具を汚すなど家庭での負担が大変です。
また、お母さんに怒られたり、友達から揶揄されることで、本人の自尊心が傷つけられることも問題です。

夜尿は治療すれば、ほとんどの子供さんは早期に治癒します。お困りの場合はご相談下さい。

当院でのやり方を紹介します。

治療対象となるのは

小学生になって、毎日夜尿がある場合
小学校高学年になって、週に2回以上の夜尿がある場合
修学旅行など、お泊りする機会がある場合
本人が強く望む場合

です。

受診前に夜尿日記を付けて頂けると助かります。
日記はこちらからダウンロードできます。A4に印刷して使用して下さい。

初診のときに
1、発達の遅れがないか?発達障害などを持っていないか?
2、一般的な診察で身体疾患が隠れていないか。
をチェックさせて頂きます。

その後尿の検査を進めます。

ちょっと大変ですが、3日間早朝尿を持ってきてください。尿の浸透圧(濃さ)を調べます。
この検査で尿が濃縮されているのに夜尿があるのか、薄い尿がたくさん出るから夜尿があるのかが分かります。

尿が濃縮されているのに夜尿がある場合→膀胱型の夜尿と言います。
 膀胱機能が未熟だから尿が出てしまうのです。

薄い尿が出ている場合→多尿型またはホルモン型の夜尿と言います。
 尿を濃縮する力が弱いために、夜間に膀胱がいっぱになって夜尿が出てしまうのです。

これ以外に混合型というのもあります。膀胱型、多尿型の両方を持っている子供さんです。



その後治療に進みます。

治療の基本は水分制限と、夜尿アラームを付けて、夜間の尿がいつ出ているのかを見ることです。

水分制限に関しては、夜尿の子供は普段から水分を多く取りすぎていることが多いようです。
夕食後には水分を取らないようにして下さい。普通の生活であれば脱水などは問題になりません。

アラームは尿が出れば大きな音で鳴るので、すぐに子供さんを起こしてトイレに行かせてください。
アラームがなった後、時間が経ってからトイレに行くのでは効果が出ません。
要は、尿が出たという感覚を子供さんに知ってもらうことです。
最初は一人で起きることができないかもしれませんが、慣れてくるとアラームの音で起きて、徐々に尿が出る前に起きることができるようになります。それを繰り返すことで、朝まで持つようになってきます。

アラームはネットで購入することができます.おねしょアラームで検索して下さい.

加えて薬物療法を行います。(薬物が不要な子もいます。)

膀胱型夜尿  夜尿アラーム+膀胱容量を増やす薬
多尿型夜尿  夜尿アラーム+夜間尿量を減らす薬

となります。




多くの子供さんは1〜2ヶ月以内に反応し、夜尿の回数が減ってきます。
2ヶ月間夜尿がない日が続けば治療終了になります。

冬季など、寒くなれば再発することもあります。
あまりに夜尿回数が増えるようなら、再度ご相談下さい。