当院での食物アレルギーの予防

食物アレルギーに関して、何度もコラムを書いてますが、ここでは、その予防策と理屈について詳しく書いてます。参考にして下さい。


現在、乳児湿疹や食物アレルギー症状で医療機関を受診したときの典型的な対応は、血液検査で卵や小麦などの原因となる食物を特定し、しばらく食べさせないで下さい、というものです。その後定期的に病院で血液検査をしてアレルギーの値が下がるのを待つのですが、別コラムに書いた通り、こういった対応では、、アレルギーをかえって増やしてしまったり、治らないままに何年も通院を続けることになってしまいます。

気軽に食物負荷のできない医療機関では、血液検査で陽性なら食べさせる方法がありません。ですので、何かあったら困るからとりあえず食べさせるな、という指導をするしかないのです。それがかえって食物アレルギーの予後を悪化させてしまっています。



じゃあ、どうすれば良いの?って思われますよね。

ここでは医学の力で食物アレルギーを予防する方法を説明します。



生後半年までは、赤ちゃんの肌にたくさんの常在細菌が付いて、増えて来る時期です。ところが、現在の赤ちゃんを取り巻く細菌環境は、遺伝子が本来想定しているものとはかけ離れたものです。文明的な生活がそういう細菌環境に変えてしまっているのです。特に悪玉菌の代表である黄色ブドウ球菌はひどい湿疹を作ってしまうことがあります。その他に、溶連菌なども乳児湿疹の悪化因子です。

黄色ブドウ球菌などの悪玉菌は、皮膚に炎症を作ることで自らの居場所を作ります。ですので、ステロイド軟こうを塗布すると、炎症が収まり、黄色ブドウ球菌の居場所がなくなって、代わって表皮ブドウ球菌などの善玉菌が増えてきます。

実際、ひどい湿疹では黄色ブドウ球菌が検出されますが、いったんステロイド軟こうで炎症を抑えて皮膚の培養を行ってみると、表皮ブドウ球菌が検出されることが多くなります。(データ集積中)
こうして、皮膚の細菌バランスを正常化することが、治療の一歩です。

乳児湿疹のひどいのは、黄色ブドウ球菌が暴れまわっている状態です。これは決して自然ではなく、現代社会が作ってしまった細菌叢に赤ちゃんが巻き込まれた?ものですから、修正してあげないといけません。最初にきっちり炎症を抑えることで、TARCの値を下げ、その後の湿疹の再燃を抑えることができます。






例えばこういう乳児湿疹  出典はここ


このお子さんなら、初期対応として、リンデロン・アズノール軟膏をミックスした軟膏を4〜5日間全身に塗布してもらいます。


これがその軟膏です。


昔は薄く塗るとか言われてましたけど、塗り方など特に気を使う必要もありません。1日3回、全身にたっぷり塗ってください。ほとんどは3日以内に改善しますが、治ったと思っても5日間程度は塗って、皮膚の炎症を十分に取ってあげて下さい。そうやって皮膚の細菌バランスを正常化しておくのです。
(アズノールと混ぜるのは塗った時に伸びやすくするためと、少し色と付けてワセリンのみの軟こうと区別するためです。)

※目に入らないように気を付けて下さい。眼球周囲1cm程度は塗るのを控えましょう。

ところで、ステロイドは絶対に嫌、という人もいます。乳児湿疹は自然に治るじゃないか、という意見です。そんなブログを立ち上げている人もいますね。

確かにその通りで、乳児湿疹のほとんどは自然に治ります。ですので、ステロイドを使いたくない、という人であれば使わなくても結構です。少数ですが、当院でもそういう赤ちゃんをフォローしたことがあります。


ですが、わたしがステロイドを勧めるのは、皮膚をきれいにするためではなく、炎症を抑えて皮膚の細菌バランスを変え、TARC値を下げるためです。

ひどい乳児湿疹をそのまま放置すると、TARC値の高値が続きますので、どんどんアレルギー抗体を作ってしまいます。

ずっとステロイドを使わないで頑張った!という方が来られることがありますが、そういう赤ちゃんで血液検査をすると、写真のような血液検査になります。。
(個人情報保護から、細かい数字は消しています)



RASTは個々の項目に対するIgE抗体を測定したものです。左に測定した項目が並んでいますが、それぞれに対し、星マークが多ければ多いほどアレルギー抗体を持っているということです。

生後6ヶ月にも満たない赤ちゃんなのに、たくさんの食物だけでなく、ダニや動物に対してアレルギー抗体を作ってしまっていることが分かります。IgE全体の数値も数千以上あり、成人の強いアレルギー持ちの人と変わりません。

他にも書きましたが、わたしはIgEは、もともと進化の過程で哺乳類の皮膚を守るために作られるようになった抗体だと考えています。ヒトは本来洞窟で産まれて、育っていくのです。おそらく、IgEは虫から体を守る役割があったのでしょう。だから卵や小麦の抗原が入ってきたら、免疫が虫刺されと勘違いしてしまい、それをブロックするような抗体が作られるようになったのです。

なぜこういう血液検査になってしまったかですが、ステロイドを使わずに炎症を抑えないと、TARCがずっと高いままになってしまいます。TARCは体の中のリンパ球をアレルギーリンパ球(Th2リンパ球)に変える作用がありますので、赤ちゃんのリンパ球が皮膚から入ってきた様々な抗原(卵や小麦、ダニなど)に反応し、そういうものを追い出そうとするリンパ球にどんどんに変化していきます。リンパ球は卵や小麦に対するIgE抗体を作るようになっていくので、上記したような血液検査になっていくわけです。
※リンパ球が虫に刺されたと勘違いするのですね。



赤ちゃんの周りに卵や小麦なんてどこにあるんだ?って思いますが、分かりやすく書くとクッキーですね。みんな家の中でクッキー食べるでしょう。クッキーを割った瞬間に、かけらがものすごく小さい粉末になって舞い上がります。

ですので、家庭の中にはどうしても卵や小麦などの目に見えない分子が散らばっています。今の住宅は密封性が高いですので、ばらまかれた卵や小麦の分子はいつまでもそこにとどまってしまうからです。

こういうのは目に見えないので、赤ちゃんに付くことを防ぐのは難しいのです。結果として、炎症を起こした皮膚から入り込みます。




(人間は本来、洞窟に住んでたんですよ。そういう中では周りに食物なんてありません。虫はたくさんいたでしょうけど!)

また、母乳中には微量の卵の抗原を含みます。口の周りが荒れていると、そこに卵が付きますので、卵に対するIgE抗体が作られます。
かといって、母乳を止める必要はありません。お母さんも卵を止める必要もありません。ただし、赤ちゃんの口の周りの湿疹はまめに治療しておいてください。


以上、良いでしょうか?ざっくりまとめますと

・黄色ブドウ球菌等の悪玉菌による赤ちゃんの皮膚炎が発生する
・炎症を起こした皮膚から部屋の中にある散らばった食物分子が入ってくる
・赤ちゃんの体の中で食物に対するIgE抗体が作られる
・RAST検査で様々な食物に対し陽性になる⇒これは湿疹があるとどんどん進みます。
・離乳食で卵を食べさせるのが遅れると、IgEと反応し、じんましん等の症状が出る
・卵アレルギーと診断され、食べさせないで、と指導される。
・卵抗原が腸管に入らないので通常の抗体(IgG、IgA)が作られず、赤ちゃんの時に作られたIgEだけが残ります。
・食べさせない状態が続くと、卵アレルギーの完成!

ってことになります。

この理屈は患者さんだけでなく、多くの医師の方にも知っておいてもらいたいですね。


さて、スキンケアの話に戻りましょう。


黄色ブドウ球菌はもともと皮膚に生えますが、腸にも入るし(ここ)、呼吸器にも入ります。免疫を育てる最重要の時期に、本来遺伝子が想定したのとはまったく異なる細菌叢を持つのはやはり自然ではありません。さらに、この時期に獲得した細菌叢は将来にわたって影響します。免疫の仕組みによって、赤ちゃんの間に作られた細菌環境が将来にわたって維持されようとするので、黄色ブドウ球菌の持続感染を起こすことになり、将来のアトピー性皮膚炎の発症リスクとなる可能性が高いのです。


だからステロイド軟こうを塗布するのです。ステロイドと言うと、いかにも人工的なもの、赤ちゃんには強い薬と思ってしまう人も多いようですね。ですが、そもそもひどい湿疹を作ってしまっている赤ちゃんは、本来の自然環境とかけ離れた状態なわけで、人為的にそこを修正してあげるのは大切だと思います。この時期にステロイドを使った方が、その後は使わなくても済む可能性が高くなるってことです。


さて、上記リンデロンを5日間塗布すれば、ほとんどの湿疹は改善します。
ですが、ここで止めればまた湿疹はひどくなることが多いのです。乳児湿疹があるということは、皮膚が弱い遺伝子を持っていることが多いですし、周囲から黄色ブドウ球菌等の悪玉菌が付きやすい環境にあるわけです。

※ご両親にアトピーがある場合、皮膚の細菌に悪玉菌がいる場合が多いですね。それが赤ちゃんに移行してしまうってことです。

いったん炎症が収まれば、リンデロンを徐々に減らしていくことにしますが、当院で行っているのはリンデロン、プロペトを1日おきに塗布してもらう方法です。プロアクティブ療法とか言うらしいですが、まあ、名前なんてどうでも良いよね。

これがプロペト、、単なるワセリンです。




ワセリンは炎症を抑える効果はありませんが、皮膚を守ってくれるし、皮膚の水分を閉じ込めることで正常細菌叢の発達を促します。乾燥してカサカサの皮膚じゃ、細菌の栄養分も少ないんだから、生えないでしょう。

なお、リンデロンはアズノール軟膏を混ぜて使っていますが、少し色がついています。プロペト(ワセリン)の方は白いので、分かりやすいでしょう。


1日おきでいけそうなら、週に3回リンデロン塗布、週に2回へと徐々に減らしていきます。リンデロンを塗らない日は、プロペトをたっぷり塗ってあげて下さい。


この時期の赤ちゃんは小さいし、それほど動かないので簡単に塗れますよ。大きくなればなるほど、軟膏による治療は難しい。塗る範囲が広くなりますし、走り回っってイヤイヤも出てきます。1歳の子に塗るのはなかなか大変です。
⇒大きい子にはベルツ水(グリセリン水)をお勧めしています。

上記したような軟こう処置をちゃんとやって頂ければ、湿疹のコントロールが難しいということはありません。塗っても塗っても治らない、ってまれに来られますけど、ものすごく弱い軟膏とか、ほとんど意味のない薬をもらってたりするんですよ。



長くなりました。休憩です。
ここまでの話を書いて思うのですが、短い外来で理解してもらうのは無理ですねぇ。
外来では続きはHP読んでください、って言っちゃいますけど、ホントに理解してもらうためには何時間もいるんじゃないかな?って思います。
なお、ややこしいことを書いてるHPはたくさんあります。中にはほんとにひどいのもあるので気を付けてください。

じゃ、このHPは信頼できるのか?って言われそうですが、それは受診して、信頼関係を持ってもらわないと仕方ないかな。






さて、皮膚の治療の話から、食物アレルギーの予防に移りましょう。

別項でも書きましたけど、食べさせてないのが食物アレルギーの最大の原因です。普通に食べてれば大丈夫なんですよ。

ですが、普通に食べさせるってのがなかなか難しい。
育児書にも、卵はアレルギーの原因になるから、食べさせるのを遅らせるように、なんて書いてあるでしょう。アレルギーで亡くなったというお子さんのことも報道されたりします。小さい赤ちゃんに卵を食べさせるのは怖い!っていう気持ちはよーく分かります。「自宅で徐々に食べさせて下さい」って言われてることも多いですが、なんか怖いって思っちゃって、あまり離乳食が進んでない人も多いのではないでしょうか。

また蛇足ですが、ある保育所の先生は、アレルギーを防ぐために、アレルギーの原因となる食物は一切食べさせないって言われています。そんなことしたら、将来のアレルギーがかえって増えちゃいますし、保育士がそんなことでどうするんだ!なんて思います。あるお母さんを介して、食べさせた方が良いって伝えたら、逆切れされたみたいです。思い込みって怖い(苦笑)。

当院の経営する小規模保育所(つくし)では、小さいうちから卵もピーナッツも、お蕎麦でもなんでも食べさせてます。入園のときにアレルギーで食べられないって話をするお母さんも何人もいましたけど、みんな食べさせることで治療しちゃったので卒園まで食物アレルギーを残した子はいません。





卵を食べさせておけば、卵アレルギーが発症しにくくなるのは様々なデータが出ています。小児アレルギー学会の勧告を見ると生後6ヶ月から固ゆで卵白0.2gを食べさせなさい、ってなってます。
これまで散々食べるな!って言ってきたのに、大きな方向転換ですね。


ところが、この勧告にもいろいろ問題があります。乳児湿疹が強い赤ちゃんは、上記のように生後6ヶ月までに食物に強く感作されている子がいます。
※感作ってのは、アレルギー抗体があるってことです。強く感作されているほど、食物アレルギー症状を発症します。

ですので、卵を食べさせると全身のじんましんが出たり、おう吐や下痢、ものすごくひどいとアナフィラキシーショックを起こします。そんな目に遭わせたらかわいそうですよね。

また、生後6ヶ月では嚥下機能が未熟なので、固形物を食べない子もいますし、0.2gって言ったってどのくらいか分からない。毎日食べさせるのであれば、毎日卵料理をしないといけない。これもちょっと現実離れしてるな〜、と、母親視点では思います。お料理の苦手なお母さんも多いですしね。


そこで、当院のやり方を説明します。


乳児湿疹の強いお子さんでは、これまで書いたような湿疹のコントロール(皮膚細菌叢のコントロール)を行いながら、生後3ヵ月くらいから下の写真のミックスパウダーを食べてもらいます。



食べてもらった赤ちゃん、たくさんいますよね。

なお、ミックスパウダーには次の4種類があります。


卵、小麦、ミルク、そば、きな粉(大豆)、ピーナッツの粉末で作っているのですが、その他に含まれるラックビー、ミヤBM、ビオフェルミンは腸内細菌製剤です。

※念のため、小麦粉、そば粉、きな粉、ピーナッツ粉は混ぜる前に加熱処理してください。
当院では電子レンジで、500W 40秒を2回行っています。


ミックスパウダーの利点は数々あって
・微量なので、少量の水に溶いて赤ちゃんでも食べさせることができます。
・薬物と同じように分包してあるので清潔です。
・一定量の食物アレルゲンを食べさせることができるので安全です。
・多種類の食物を食べさせることができるので、手間がありません。
・複数の腸内細菌製剤が入っています。腸の中での悪玉菌の発生を防ぎ、アレルギーに抑制的に働きます。
※腸内細菌の種類が少ない方がアレルギーが増えます。現代社会はとにかく、細菌が少なすぎるんですよ。


最初は2.5mgをたべてもらいます。2〜4週間毎に7.5mg、20mgへと増やしていき、ある程度食べることができるようになれば、離乳食に卵や小麦を混ぜて食べさせてもらいます。なかなか食べさせることが難しい赤ちゃん用に50mgも用意しています。赤ちゃんの免疫を作るのは腸です。とにかく、少しずつでもアレルギーを起こしやすい食物を腸まで届けるのが大切です。

こうして、スキンケアでアレルギーを抑えつつ、早期から食べさせることで食物アレルギーを防ぐのです。

ミックスパウダーの治療ですが、できれば生後6ヶ月まで、遅くとも1歳までに始めるのが肝心です。2歳を過ぎてしまえば、ちょっと厳しいかもしれません。
なぜ乳児期に始めるのが良いのか、ということですが、ミックスパウダーは微量の食物を腸に届けて、免疫を作ってアレルギーを防ぎます。口から入れるので、まずは胃に入るでしょう(左図)。

生後まもなくは胃のpHは高く、中性に近いのですが、胃が発達するにつれ酸が分泌されるようになりpHがどんどん下がってきます。成人では胃のpHは1〜2と非常に強い酸性です。
赤ちゃんの頃には様々な細菌を取り込んで、腸に定着させないといけないので、細菌が生き残りやすいように胃の酸性度は低いのです。ですが、成人ではそんな必要はありませんし、たくさん食べて胃にためるので、強酸でないと食べたものの中で細菌が繁殖しすぎます。
⇒つまり、腐ってしまいます。

年齢が上がってしまい、pHがあまりに低いとミックスパウダーのような微量のアレルゲンを入れても食物が分解、変性してしまうので、腸まで届きません。ですので年長児の治療は大変です。大量の食物をいれないとダメなので、危ないのです。とにかく小さいうちに治療を開始することです。できれば1歳までに始めてください。





こんなに簡単なことならどこでもやれば良いじゃないか!って思われるかもしれませんが、あまり普及してませんね。

実は、こういった治療がどの程度アレルギーを減らしているのか、厳密には分かりません。エビデンス、って言うのですが、本当は治療をする群、しない群で比較検討して、医療的介入がアレルギー予後を改善しているかどうかを証明しないといけないのです。理論的には効果があるはずですが、比較調査が必要だってことです。現在、調査も進めていますので、効果が証明できれば、どこでもこういった治療を受けて頂けるようになるかもしれません。


というわけで、現時点ではこのHPの話はエビデンスではなく、あくまでわたしの個人的な経験談になってしまうことをご了承ください。

とはいえ、比較は難しくても調査は進めないといけません。当院で早期から介入を行った赤ちゃんがどうなったかは、何度も電話で調査させてもらっています。次の文章は某学会で発表するためにまとめたものです。

2015年1月から2017年5月までの期間、生後4ヵ月までに乳児湿疹で受診した患者の中で、TARCが3000 pg/mL以上の高値であった例を対象にした。対象症例は52例であったが、51例は1歳まで当院で経過を見ることができた。1例は最初の検査後、他県に転居となったために、自院での通院指導はできなかった。52例全例につき2018年5月現在の除去食の状況について調査した。自院で経過を見ることができた51例は、ステロイド忌避の例を含め、卵、牛乳、小麦、ピーナッツ、大豆の除去が必要な例はいなかった。1例のみ2歳でクルミのアレルギーと診断した。転居した1例は、生後10ヶ月で保育所の入園前に検査を行い、卵のRASTが高いため完全除去を指示された結果、3歳になる現在も卵の完全除去食を続けていた。
プライマリ・ケアで乳児期早期から適切な指導を行うことで、食物アレルギーの予防は可能であると思われた。



学会用で文章が固いですが、つまり、当院で通院を続けた赤ちゃんは、食物アレルギーはほぼない。ところが、検査だけして、予防することなく帰省で帰っちゃった赤ちゃんはしっかりアレルギーを作っちゃったんです。このお母さんにも食べさせた方が良い、って散々言ったんですが、地元に帰ってからアレルギーの専門医を受診して、食べさすなって指示を受けちゃったそうです。ウーン、残念です。

なお、一般的には乳幼児の食物アレルギーの有症率は全体の5〜10%と言われています。上記調査は、TARCが高いお子さん、つまり食物アレルギーの発症リスクが高いお子さんに限ったデータです。通常はもっと食物アレルギーを起こすところが、主だった食物は全員食べることができています。ですので、ミックスパウダーを含む当院の治療はそれなりに効果があるのだろうと考えています。

次の図は簡単な疫学調査です。某研究会でお話ししたもの。


当院のある柏原市内の保育所にアンケート調査を行ったのですが、遠くって当院まで来られる患者さんが少ない柏原市区では165人のお子さんのうち12人が食物制限をする必要がありました。当院のある国分地区では、109人中、たったの2人です。これは統計学的に有意に国分地区での食物アレルギー児が少ないと言えます。


また長くなった。ここまで読まれる人っているのか、心配になりますが。



以上の経験から、食物アレルギーはほぼ完全に予防可能だと、わたしは思います。むしろ、危ないからやめなさい、という指導が食物アレルギーを作ってしまっている側面があります。

一般の医者さんはまだまだ、「どうやって食べさせていけば良いのか」の回答を持っていません。、乳児へ食べさせる指導が行われることも少ないですね。
離乳食の指導なんて医者は習ってないですしね。

また、アレルギー学会も頑張ってますが、食べさせることに関してはあまり解決になっていません。。

専門性が高くなるほど完成されたひどい食物アレルギーの児を診ているので、食べさせることに慎重になってしまうようです。食物アレルギーのガイドラインを見ても、いかに除去するか!ばかり書かれてますし、食べさせるための負荷試験を読めば、とてつもない手間が掛かるような手順が書いてあって現実的ではありません。赤ちゃんがいちいち入院して卵の食べる量を決めますか?いくら時間があっても足りません。

アレルギーって、個々のお子さんによってあまりに違うので、治療や負荷試験を一般化しようとするのはそもそも無理があるんです。

その点、ミックスパウダーは非常に良いツールだと思います。なお、これまで重篤な症状が出たお子さんもいません。多少口の周りは赤くなりますが、そんなの心配要りません。赤ちゃんへ投与を希望される方は受診してください。

遠方の方はちょっと無理なので、地元の小児科の先生で、食べさせる方針のところを探してください。きちんと外来で食べさせて様子を見てくれる先生がベストです。

わたしが知ってるところは、愛媛の福岡先生とか、福岡の深澤先生がいますけど、全国の先生でどうかってのは分かりません。

アレルギーを専門にしていても、とにかく除去しなさいって先生は、たくさんの患者が通院しているかもしれませんが、お勧めしません。患者が多いから名医ってわけじゃないんですよ。治らないので患者がたまってくるのです。当院みたいに食べさせるところは全員赤ちゃんのうちに治っちゃうので、年長児で通ってる子はいません。

名医ってのはとっても難しい。わたしは迷医で十分です。はい(苦笑)。



※たまに遠方から電話で相談を受けたりしますけど、申し訳ありませんが、受け付けておりません。目の前で赤ちゃんを診察しないと何とも言えません。
 

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